2023年5月22日
飲みやすいお酒
「これ、飲みやすいね」「分かる。飲みやすい」
酒席で交わされる和やかな会話。
その場では大いに頷く一方で、ちょっと違和感を抱く自分もいる。
お酒の感想、それだけでいいのだろうか。
料理の感想で「食べやすい」とはあまり言わない。
この人、普段どれだけ食べにくい料理を口にしているのだろうかと思われてしまう。
確かに最近のおしゃれな店のハンバーガーは食べにくい。
人間で例えれば、確かにとっつきにくい人よりは、とっつきやすい人の方がいい。
深みがあって面白いけれど、慣れるのに時間がかかる。周りがそんな人ばかりだと疲れてしまう。でも「飲みやすい」お酒は、特徴のない「いい人」と認定されているようにも感じる。いい人はいい人止まり。記憶にも残らないし、話題にも上らない。
結局のところ、「飲みやすい」は共感が得やすく、当たり障りのない言葉なので、ついつい口にしてしまうのだと思う。
でも、たまには「おいしい」って思いっきり言ってあげたい。
多勢に無勢
最近、漫画『ワンピース』を今更ながら読み進めている。60巻で知識が止まっていたのだが、1巻から読み進めてついに100巻を超えた。相変わらず海賊なのに海戦は少なく、陸上でばかり戦っている。
※少しだけ本編の内容に触れるので、ネタバレを気にされる人は、そっと戻るボタンを押してください。
麦わらの一味がまだ4、5人だった小学生の頃。
今後、どれほど大人数の海賊団が相手だったとしても、少人数で勝っちゃうんだろうなぁ。少し冷めた目線で見ていた。リアリティには欠けるけど、それが漫画なんだろうと思っていた。
そんな少年の憶測は、いい意味で大きく裏切られた。
麦わらの一味、めちゃくちゃ色んな海賊や現地人と手を組むやん。
結果的に大人数対大人数の戦いが実現している。
仲間が加速度的に増えていく展開は興奮する。
小学生の頃、こうも思った。
ある程度、強くなったら傘下に入りたがる海賊もいそうだけど、上下関係とか少年漫画らしくないし、ありえないんだろうなぁ。
それも実現してるやん。
ドレスローザ編が終わり、麦わら大船団が結成した時は、より興奮した。
島々を回る中で少しウンザリするのが、毎回やたらと敵幹部が多いこと。
名前がずらりと並ぶシーンを見ると、全員と相手しなきゃいけないのかと麦わらの一味に代わって嘆きたくなる。
まるで敵とのエンカウントがやたらと多いRPGを遊んでいるような気持ち。
そういう意味でドレスローザ編では、最後に無数にいた敵キャラが仲間に加わることで、無駄な戦いじゃなかったとカタルシスを感じられた。
今後も気持ちよく裏切られたい。